ゲントのサッカーの醍醐味について、再び触れてみたいと思います。



「ゲントの選手で誰に注目すればいいのか?」

基本的に「完成度の高く、左右中央からバリエーションが豊富な攻撃」を売りとしているチームなので、特定の個の能力に頼るチームというわけでもないので、おすすめする選手と言われても難しいですが、やはりキャプテンのMFスヴェン・クムスに触れてみたいと思います。

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クムスは、1988年生まれの27歳のMFで、ゲントではセンターハーフを務めています。2006年にリールセでデビューした当時は、トップ下でプレーすることが多く、2011年に移籍したオランダのヘーレンフェーンでは、背番号10を与えられたテクニシャンです。2013年にベルギーへ戻ると、以後は中盤の下がり目でのプレーに専念。2014年夏にゲントに加わり、シーズン途中からキャプテンに任命されました。

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「マエストロ」「ゲントのシンドローム」と呼ばれる通り、中盤の底から多彩なパスワークからゲームを作るのが、クムスの主な役割で、同じくトップ下からコンバートされたブラジル出身のボランチのMFレナト・ネトと共に、鋭いパスから、攻撃時に5トップに変形するゲントの攻撃陣に質の高いボールを配給しています。彼のグラウンダーのボールから、フィジカルが強くポストプレーを得意とする、最前線のドゥポワトルに入るボールは、サイド、中央と多彩な仕掛けを持つゲントにとっての、生命線といえます。

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チャンピオンズリーグでのゲントでよく見られた形で、これに似たような形から、今回は3得点を得ています。このゴールは、第1節のミリチェヴィッチのゴールですが、ドゥポワトルのポストプレーから折り返しをいただき、前が空いたら一気にドリブルで駆け上がり、ドゥポワトルが引きつけた相手左SBの裏を、ミリチェヴィッチが狙い、1対1を制して、ゴール…という形です。抜群のスピードを持つサイモンを囮に使いつつ、スペースを果敢に狙うミリチェヴィッチが狙う形ですが、この応用として、ミリチェヴィッチとのワンツーでクムス自身が裏を狙うこともあり、今季はクムスの駆け上がりから、今季は多くのゴールを叩き出しています。