手短にアンドラ-ベルギー戦のマッチレポートです。

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この試合で勝利すると、EURO2016出場が決まるベルギー。相手は現在全敗のアンドラです。

ベルギーのスタメンは、正GKクルトワが怪我のため欠場し、今回はリヴァプールのGKシモン・ミニョレが出場します。最終ラインも負傷明けで万全ではないコンパニはベンチに下がり、センターバックはヤン・ヴェルトンゲンとトビー・アルデルヴァイレルトのトットナムのコンビ。両サイドバックは、国内組で右SBはクルブのトマ・ムニエ、左SBは今回初出場のオーステンデ所属のジョルダン・ルカクが出場しました。

中盤はヴィツェル、ナインゴラン、デ・ブライネ、アザールの4人は不動だが、サイドはメルテンスを起用し、フェライニはベンチへ。そして、今回サプライズ招集となった、ゲントのエースストライカー、ローラン・ドゥポワトルが26歳で初めてベルギー代表のユニフォームを着て戦います。

試合は開始早々から全員守備でゴール前に選手を固めるアンドラに対して、ベルギーが前がかりに攻めるものの、相手GKの攻守もあって、なかなかゴールを奪えません。

しかし、19分、ジョルダン・ルカクのパスを受けた、ラジャ・ナインゴランがゴール25m付近から、鋭いミドルシュートを決めて、ベルギーが先制します。更に42分には、ゴール正面左寄り25m付近のフリーキックをデ・ブライネが、ゴールポストに当てつつのシュートで2点目を叩き込みます。

後半に入ると、51分、アンドラのスローインのボールをヴェルトンゲンが後逸。そこを狙ったアンドラのFWリマが抜け出るが、ヴェルトンゲンが止めてしまい、アンドラにPKが与えられ、これをリマ自らが決めて、1点差に迫ります。それでも、取られたら取り返すベルギー。59分には、アンドラDFソネヘエが犯したハンドで得たPKを、エデン・アザールが落ち着いて決めて、ベルギーが点差を2点差に広げます。更に、64分には右サイドでクリアボールを拾ったヴィツェルからムニエ→メルテンスと繋ぎ、メルテンスのクロスを、ローラン・ドゥポワトルが長い足を伸ばして合わせて、ベルギーが4点目。ドゥポワトルがデビュー戦で初ゴールを決めて、点差を3点差に広げます。

75分に再びアンドラDFのハンドにより、ベルギーが2回目のPKを獲得するが、アザールのキックはアンドラGKフェラン・ポルに防がれ、追加点ならず。試合は4-1でベルギーが勝利し、グループリーグ2位以上が確定し、来年のEURO2016フランス大会での出場が決定しました。


アンドラが全員守備でやれることをやろうとしたがものの、ベルギーが終始落ちついた試合運びで危なげなく勝利しました。連携での崩しは、ドゥポワトルのゴールのみだが、いつもと違うメンバーで、動き出しが以前と違う印象を感じました。

普段はアルデルヴァイレルトとヴェルトンゲンと、クラブではセンターバックでプレーする選手を起用するベルギー代表だが、今回は左SBにジョルダン・ルカク、右SBにトマ・ムニエと、攻撃に持ち味があり、守備はベルギーリーグでも粗さを散見するタイプの選手を起用しました。

代表初キャップのジョルダン・ルカクは、若干固さを感じさせるプレーはあったものの、左サイドにボールが入ると、何度もチャレンジを繰り返し、積極的なプレーをアピール。左サイドでボールを受けることが多いアザールをサポートするために、積極的に上がっているものの、この試合ではほとんどパスを貰えず、アザールも使ってあげたら・・・と個人的には感じました。しかし、守備面では軽さが散見するので、まだスタメンで起用するには厳しいかもしれません。

対照的に右SBのトマ・ムニエは、この試合ではチームMVPクラスの活躍を披露し、攻守のバランスを重視しながらも、強靭なフィジカルを活かした力強い突破で攻撃を活性化。同サイドのメルテンスとの相性が良く、4点目のゴールを上手く演出しました。ようやく代表でのプレーに慣れてきたのでしょうか?

そして、この試合、フル出場になった、ゲントのFWローラン・ドゥポワトル。ドゥポワトルの持ち味は、相手を背負った状態でのポストプレーが上手く、積極的な守備参加も光っていました。ルカク、バチュアイらとは対照的に、ゴールへの執着心は感じないものの、徹底的に周りを活かしていこうとする、今までのベルギー代表では無かったタイプかもしれません。アザール、デ・ブライネ共に、ドゥポワトルにボールを預けるシーンが多く、サイドプレーヤーも積極的にクロスを放っていたため、チームに合流後、1週間も経っていないものの、すでに信頼を獲得したと感じられました。ゲントではコンビネーションサッカーの中心を担うアタッカーだけに、もしかしたら、ベルギー代表の可能性を広げるかもしれません。

最終節はホームでイスラエル戦。勝利すれば、いよいよFIFAランキング1位も…と囁かれています。大きな大会で結果出していないので、正直恥ずかしいですが、ベルギーのサッカーにおいては、歴史的な日になることは間違いないでしょう。